TOPプライバシーポリシー

柔道整復師の国家試験は、医療系資格の中でやや難易度が高い試験です。
最新の第34回試験(2026年)の全体合格率は71.5%でしたが、年度によっては49.6%まで落ち込んだこともあり、計画的な対策なしに合格できる試験ではありません。
特に注目すべきは新卒90.3%・既卒32.9%という合格率の差で、在学中に仕上げることがいかに重要かを示す数字です。
この記事では、合格率の推移・出題科目・合格基準・養成校選びのポイントまで、難易度に関する情報を網羅しています。

柔道整復師の国家試験は、医療系国家資格の中でやや難しい部類に入る試験です。
最新の第34回試験の全体合格率は71.5%でしたが、年度によっては49.6%まで低下したこともあり、計画的な試験対策なしに一発合格を狙うのは現実的ではありません。
試験は必修問題と一般問題のそれぞれに異なる合格基準が設けられており、いずれかの基準を下回った時点で不合格になる仕組みになっています。
全体の合格率だけを見て安心してしまいがちですが、新卒受験者と既卒受験者では合格率に50ポイント以上の開きがあることも知っておく必要があります。
理学療法士や作業療法士と比べると全体合格率は低い水準で推移しており、試験の難しさをしっかり認識したうえで準備を始めることが合格への近道です。
柔道整復師国家試験の最大の特徴は、合格率が年度によって大きく変動することです。
厚生労働省が発表した直近9年間のデータを確認すると、最低が49.6%、最高が71.5%と20ポイント以上の差が生じています。
| 回(実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第26回(2018年) | 6,321名 | 3,690名 | 58.4% |
| 第27回(2019年) | 6,164名 | 4,054名 | 65.8% |
| 第28回(2020年) | 5,270名 | 3,401名 | 64.5% |
| 第29回(2021年) | 4,561名 | 3,011名 | 66.0% |
| 第30回(2022年) | 4,359名 | 2,740名 | 62.9% |
| 第31回(2023年) | 4,521名 | 2,244名 | 49.6% |
| 第32回(2024年) | 5,027名 | 3,337名 | 66.4% |
| 第33回(2025年) | 4,513名 | 2,607名 | 57.8% |
| 第34回(2026年) | 4,434名 | 3,170名 | 71.5% |
合格率がここまで振れる理由は、合否判定が絶対評価で行われることにあります。
相対評価とは異なり、合格者数を一定に調整する仕組みがないため、その年の問題難易度や受験者層の構成がそのまま結果に反映されます。
特に第31回の2023年は合格率が49.6%と過去最低水準まで落ち込みました。
受験者の半数以上が不合格になったこの年のデータは、決して油断できない試験であることを示しています。
この年に不合格となった受験者が翌年以降の既卒受験者として蓄積され、全体合格率を引き下げる一因になっている点も見逃せません。
また、9年間で受験者数が6,321名から4,434名へと約3割減少していることも注目すべきデータです。
養成校への入学者数の減少が続いており、受験者全体の母数が縮小している構造が見えてきます。
安定して合格ラインを超えるには、問題が難化した年でも対応できる実力を在学中に積み上げることが不可欠です。
柔道整復師国家試験の難易度を正確に理解するには、全体合格率よりも新卒と既卒の内訳に注目することが重要です。
両者の差を見ると、試験の本当の厳しさが浮かび上がります。
| 試験回 | 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第34回(2026年) | 新卒 | 2,982名 | 2,692名 | 90.3% |
| 第34回(2026年) | 既卒 | 1,452名 | 478名 | 32.9% |
| 第33回(2025年) | 新卒 | 3,188名 | 2,419名 | 75.9% |
| 第33回(2025年) | 既卒 | 1,325名 | 188名 | 14.2% |
出典:柔整ホットニュース「第33回柔道整復師国家試験 合格者数・合格率」「第34回柔道整復師国家試験 合格者数・合格率」(厚生労働省発表データに基づく)
第34回の新卒合格率は90.3%でしたが、同じ試験で既卒の合格率は32.9%でした。
差にすると57ポイント以上あります。
前年の第33回では新卒75.9%に対して既卒は14.2%と、さらに開きが大きくなっています。
この大きな差の背景には、学習環境の違いがあります。
養成校に在籍している間は、授業・実習・模擬試験といった体系的な学習環境の中で試験対策を進められます。
ところが卒業後に不合格となった場合は、働きながら独学や専門予備校などを使って自力で学習を続けなければなりません。
学習ペースや情報収集の面で大きなハンデが生じるため、既卒受験者の合格率がこれほど低くなる構造が生まれています。
つまり柔道整復師の試験は、養成校在籍中に万全な対策を整えた状態で臨めば合格の可能性は十分ありますが、一度不合格になると次回合格までのハードルが急激に上がる試験です。
在学中の1回目の受験で合格を目指す意識が、合否を大きく左右します。
柔道整復師の試験難易度を他の医療系国家資格と比較すると、医療系の中でやや難易度が高い資格に位置づけられます。
2026年の各資格の合格率をまとめると、次のとおりです。
| 資格名 | 2026年全体合格率 | 新卒合格率 |
|---|---|---|
| 作業療法士 | 91.2% | 96.9% |
| 理学療法士 | 89.7% | 94.9% |
| 柔道整復師 | 71.5% | 90.3% |
| はり師(鍼灸師) | 67.2% | 非公表 |
出典:厚生労働省「各資格国家試験合格発表」(2026年3月)
理学療法士の全体合格率は89.7%、作業療法士は91.2%であり、柔道整復師の71.5%とは20ポイント近い差があります。
同じ医療系の国家資格でありながら、この数字の差は無視できません。
はり師については2026年の合格率が67.2%で、柔道整復師と近い水準にあります。
どちらも全体合格率が60〜70%台で推移することが多く、医療系資格の中では合格率がやや低めのグループに属しているといえます。
各試験は出題科目数・問題形式・受験者層の構成がそれぞれ異なります。
柔道整復師試験では既卒受験者の占める割合が一定数あり、これが全体合格率を下押しする要因になっています。
新卒に限った合格率では90.3%と、理学療法士・作業療法士に近い水準まで上がります。
医療系の国家資格を目指すうえで、柔道整復師の試験が特別に難解というわけではありません。

柔道整復師国家試験は、11科目・全250問で構成される筆記試験です。
必修問題と一般問題のそれぞれに独立した合格基準が設けられており、いずれかの基準を満たせなければ不合格になります。
試験全体の構造をあらかじめ把握しておくことが、効率的な試験対策の第一歩です。
試験時間は午前・午後の2部制で合計5時間、マークシート方式の四肢択一が基本形式です。
出題科目の幅が11科目と広いため、特定の分野だけを集中的に勉強する戦略は通用しません。
各科目の出題比率と合格基準の仕組みをしっかり理解したうえで、学習計画を立てることが重要です。
柔道整復師国家試験の出題科目は全部で11科目です。
公益財団法人柔道整復研修試験財団が定める国家試験出題基準に基づいて出題されます。
| 出題科目 | 分類 |
|---|---|
| 解剖学 | 基礎医学 |
| 生理学 | 基礎医学 |
| 運動学 | 基礎医学 |
| 病理学概論 | 基礎医学 |
| 衛生学・公衆衛生学 | 基礎医学 |
| 一般臨床医学 | 臨床医学 |
| 外科学概論 | 臨床医学 |
| 整形外科学 | 臨床医学 |
| リハビリテーション医学 | 臨床医学 |
| 柔道整復理論 | 専門科目 |
| 関係法規 | 専門科目 |
この11科目の中で出題数が最も多いのは柔道整復理論です。
骨折・脱臼・捻挫・打撲など、柔道整復師が実際の臨床で扱うケガの診断と施術に関する知識が幅広く問われます。
柔道整復師として働くうえで核となる科目であり、試験全体の中でも特に重点的な学習が求められます。
問題の形式は、1問につき4つの選択肢から正答を1つ選ぶ四肢択一が基本です。
試験時間は午前2時間30分・午後2時間30分の合計5時間で、全250問を解きます。
問題数の内訳は、必修問題が50問、一般問題が200問です。
第28回(2020年)以前の試験では必修問題が30問でしたが、第28回から50問に増加されました。
必修問題の比率が高まったことで、合格基準の仕組みが受験者にとってより複雑になっています。
柔道整復師国家試験には、必修問題と一般問題に対してそれぞれ独立した合格基準が設けられています。
この二重の基準こそが、試験難易度を語るうえで外せないポイントです。
| 区分 | 問題数 | 満点 | 合格基準 | 必要正答数 |
|---|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 50点 | 80%以上 | 40問以上 |
| 一般問題 | 200問 | 200点 | 60%以上 | 120問以上 |
出典:厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」
必修問題は80%以上という高い基準が設けられています。
50問のうち40問以上に正解しなければならず、10問以上を落とした時点で不合格が確定します。
必修問題は基礎中の基礎に相当する内容から出題されますが、それゆえに取りこぼしが許されません。
一般問題の合格基準は60%以上で、200問中120問以上の正答が求められます。
必修問題と比較すると基準は低めに見えますが、11科目にわたる広い出題範囲から問われるため、苦手科目をそのままにしておくと失点が積み重なります。
この試験で特に気をつけたいのが、必修問題と一般問題の両方を同時にクリアしなければならない点です。
一般問題で高得点を取っていても、必修問題が79%以下であれば不合格になります。
受験生が陥りやすいのは、一般問題の対策に集中するあまり必修問題の準備が手薄になるケースです。
必修問題に出題される主な範囲は、解剖学・生理学・一般臨床医学の全範囲に加え、柔道整復理論・衛生学・病理学・整形外科学・リハビリテーション医学・運動学・関係法規の一部です。
なお、外科学概論は必修問題の対象外です。
合格基準が厳しい分、基礎知識を着実に身に付けることが必修対策の最優先事項になります。
近年の柔道整復師国家試験では、単純な知識の暗記だけでは解けない問題の比率が増えています。
複数の科目にまたがる知識を組み合わせて判断する応用問題が目立つようになり、これが合格率の低下に影響していると考えられます。
特に注意が必要な分野は次の3つです。
まず柔道整復理論です。
骨折・脱臼・捻挫の整復法や固定法に関する問題は毎年安定して出題されますが、近年は症例提示形式の問題が増えています。
患者の状態を示す情報から、最も適切な施術方針を選択させる問題が増えており、知識を臨床場面に応用する力が求められます。
次に整形外科学です。
主要な骨折・脱臼のX線所見や合併症に関する知識に加え、スポーツ障害や変性疾患の鑑別も問われるようになっています。
病態の理解が浅いと正答を絞り込むのが難しく、受験生の間で難しいと感じる科目の上位に挙がることが多い分野です。
最後に解剖学と生理学の連携領域です。
これらは基礎科目として必修問題・一般問題の両方に登場します。
解剖学で構造を理解し、生理学でその機能を学ぶという2段階の習得が前提になるため、どちらかの理解が不十分だと双方の得点に影響します。
臨床科目との連動性も高く、早い段階から丁寧に積み上げておくべき科目です。
第31回(2023年)で合格率が49.6%まで落ちた背景には、こうした応用問題の増加が一因として指摘されています。
過去問を繰り返すだけの学習では対応しにくい出題傾向が定着しつつあるため、問題の根拠を理解するアプローチが年々重要になっています。

柔道整復師国家試験の合格率が年度によって大きく揺れる最大の要因は、合格率が極めて低い既卒受験者が一定数蓄積し、全体の数字を引き下げることにあります。
全体合格率だけを見ていると試験の難しさを正確に把握しにくいのはこのためです。
養成校の急増と定員割れという構造的な問題が受験者層の変化をもたらし、それが合格率の変動に直結しています。
この背景を知っておくことで、合格率の数字を正確に読み解けるようになります。
柔道整復師の養成校は、1998年の規制緩和を機に急激に増加しました。
それ以前は厚生省の行政指導によって全国14校・定員約1,050名の総量規制が設けられていましたが、1998年8月に福岡地裁が規制緩和を認める判決を下したことをきっかけに、養成施設指定規則の基準を満たせば新規開設できる方針に転換されました。
この転換後、他分野の専門学校や異業態からの参入が相次ぎ、養成校の数は2013年には約107校にまで増加しました。
年間の養成数も従来の約1,000名規模から、毎年6,000〜7,000名規模へと大幅に拡大しました。
ところが、養成校の急増に伴い、入学者の確保が難しくなる学校が増えていきます。
定員割れが常態化した養成校の中には、入学のハードルを下げざるを得ないケースも出てきました。
本来、柔道整復師の学習は解剖学・生理学・柔道整復理論など高度な専門知識の習得が前提となります。
基礎学力に差がある学生を多く受け入れた結果、在学中の学習が十分に深まらないまま国家試験を受験するケースが増えたと指摘されています。
受験者数の推移にもこの変化が表れています。
厚生労働省の各回合格発表データによると、第26回(2018年)の受験者数は6,321名でしたが、第34回(2026年)には4,434名まで減少し、9年間で約3割の縮小となりました。
養成校への入学者数が減少した結果、受験者の母数自体が縮小しています。
| 比較項目 | 規制緩和前(1998年) | ピーク時(2013年頃) | 直近(2026年) |
|---|---|---|---|
| 養成校数の目安 | 14校 | 約107校 | 廃校・募集停止が増加 |
| 年間受験者数 | ― | 最大8,000名超 | 4,434名 |
受験者数が減少していても、以前に不合格となった既卒受験者が毎年の試験に加わり続けます。
受験者の絶対数が減っても既卒者の占める割合が高まれば、全体合格率は低下します。
この構造こそが、合格率が年度によって大きく振れる根本にあります。
柔道整復師国家試験は回数制限なく受験できます。
一度不合格になった人は翌年以降も受験資格を持ち続けるため、各年度の受験者プールには新卒受験者と既卒受験者が混在します。
既卒受験者の合格率は、新卒受験者と比べて極めて低い水準にあります。
第34回(2026年)の既卒合格率は32.9%、前年の第33回(2025年)では14.2%でした。
新卒の合格率が75〜90%台を保っている年でも、既卒の数字は大幅に低くなります。
| 試験回 | 新卒受験者数 | 新卒合格率 | 既卒受験者数 | 既卒合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第34回(2026年) | 2,982名 | 90.3% | 1,452名 | 32.9% |
| 第33回(2025年) | 3,188名 | 75.9% | 1,325名 | 14.2% |
出典:柔整ホットニュース「第33回柔道整復師国家試験 合格者数・合格率」「第34回柔道整復師国家試験 合格者数・合格率」(厚生労働省発表データに基づく)
この数字から見えてくるのは、合格率の全体値が既卒者の結果に大きく左右されるという構造です。
第34回を例にとると、既卒受験者1,452名のうち合格したのは478名で、残る974名が不合格となりました。
これらの不合格者の多くが翌年以降も受験を続けると、再び既卒プールに加わります。
合格率の低い既卒者が蓄積するサイクルが続くと、新卒の合格率が高い年でも全体合格率は抑えられます。
第31回(2023年)の合格率が49.6%まで落ち込んだ年は、既卒受験者の合格率がさらに低かったと推測されます。
合格率の数字を見るときは、全体の数字だけでなく新卒・既卒の内訳に着目することが重要です。
新卒合格率が90.3%という数字は、在学中に計画的に準備を整えれば合格できる試験であることを示しています。
反対に既卒になった瞬間に合格率が32.9%へと急落するデータは、一度不合格になることのリスクの大きさを端的に物語っています。

柔道整復師国家試験に合格するための勉強時間の目安は、約1,000時間です。
3年間の養成校在籍中に計画的に積み上げることが前提で、3年次に集中して詰め込む方法では間に合いません。
11科目にまたがる広い出題範囲を効率よく習得するには、学年ごとに学習の重点を切り替えていくことが合格への近道です。
また、柔道整復師国家試験は養成校への在籍が受験資格の前提になるため、完全な独学での受験は制度上できない点を最初に押さえておく必要があります。
柔道整復師国家試験の合格に必要とされる総勉強時間は、学習効率や個人の基礎学力によって差があるものの、目安として約1,000時間が挙げられます。
1年前から対策を始める場合、1日あたり約2.7時間を確保する計算になります。
3年生の試験直前期であれば、平日3時間・休日5時間以上の学習量が必要とされます。
| 学習パターン | 1日あたりの学習時間 | 対策開始時期の目安 |
|---|---|---|
| 1年前スタート | 約2.7時間 | 3年次4月〜 |
| 6カ月前スタート | 約5.5時間 | 3年次9月〜 |
| 3年間で分散 | 授業+1〜2時間 | 1年次から継続 |
3年生になってから一気に対策するよりも、1〜2年次から授業内容を着実に消化しておくほうが実質的な準備時間を長く確保できます。
試験は毎年3月上旬に実施されるため、3年次の10月以降を本格的な総仕上げ期と位置づけた学習計画を立てることが現実的です。
過去問を繰り返す学習は有効ですが、近年は知識の応用を問う出題が増えているため、問題の正誤を確認するだけでなく、なぜその選択肢が正解なのかを説明できるレベルの理解が必要です。
模擬試験を定期的に受けることで、試験本番での時間配分や得点源の把握もしやすくなります。
合格に向けた学習は、1年次から3年次までの3段階で積み上げていくことが基本です。
1年次の最優先事項は解剖学と生理学です。
この2科目は柔道整復理論・整形外科学・リハビリテーション医学など上位科目の理解の土台になります。
1年次で基礎が固まっていれば、2〜3年次の学習が大幅にスムーズになります。
2年次は苦手科目の早期発見と克服に集中します。
一般臨床医学・外科学概論・病理学概論は暗記量が多く、後回しにすると3年次に重荷になります。
また、2年次には各科目のつながりを意識した横断的な理解が求められるようになります。
解剖学と生理学を紐づけながら、そこで得た知識が臨床科目にどう連結するかを意識すると、記憶の定着が深まります。
3年次は過去問と模擬試験の反復が中心です。
必修問題対策は毎日欠かさず取り組み、一般問題は得点源となる科目から仕上げていく順序が効果的です。
| 学年 | 学習の重点 | 注力科目の目安 |
|---|---|---|
| 1年次 | 基礎固め | 解剖学・生理学・運動学 |
| 2年次 | 苦手克服・科目連携 | 一般臨床医学・外科学概論・整形外科学 |
| 3年次前半 | 全科目の総復習 | 柔道整復理論・関係法規 |
| 3年次後半 | 過去問・模試・必修徹底 | 必修問題・全科目弱点補強 |
科目別の出題数では柔道整復理論が最も多いため、この科目で安定した得点を確保することが合格率を上げる最大のポイントです。
解剖学・生理学は必修問題と一般問題の両方に登場するため、苦手のまま放置すると二重に失点するリスクがあります。
結論からいうと、柔道整復師の国家試験は完全な独学では受験できません。
受験資格を得るためには、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した柔道整復師養成施設に3年以上在籍し、必要な知識と技能を修得することが法律上の条件として定められています。
市販テキストや通信教材だけで試験対策をして受験できる資格ではなく、養成校への入学・在籍・卒業のプロセスがそのまま受験資格の要件になっている点が、他の試験と大きく異なります。
この意味での独学、つまり予備校などを利用せず自分で計画を立てて学習するスタイルについては、養成校の授業・教科書・過去問を組み合わせることで合格に必要な実力を身に付けられます。
| 学習スタイル | 可否 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 養成校なしで完全独学 | 受験資格なし | 対象外 |
| 養成校在籍+自習中心 | 可能 | 自己管理が得意な人 |
| 養成校在籍+予備校利用 | 可能 | 苦手科目がある人・既卒の人 |
| 養成校在籍+通信教材活用 | 可能 | スキマ時間を有効活用したい人 |
新卒の合格率が90.3%であることを踏まえると、養成校の学習環境を最大限活用したうえで自習を組み合わせれば、合格に十分な実力を積める試験です。
既卒で再受験する場合は、養成校の卒業生向けサポートや専門予備校の活用が合格率向上に効果的です。
受験資格の詳細については、公益財団法人柔道整復研修試験財団または厚生労働省の公式情報を参照してください。

柔道整復師の養成校への入学難易度は、大学入試と比べて高くありません。
多くの専門学校では国語・数学・英語などの基礎学力試験と面接による選考が中心であり、社会人や主婦が再入学するケースも珍しくない資格です。
資格取得にかかる期間は最短3年(専門学校)または4年(大学)です。
学費は進学先によって大きく差があるため、入学前に複数の養成校を比較しておくことをお勧めします。
柔道整復師の国家試験受験資格を得るには、文部科学大臣または都道府県知事が指定した養成施設に3年以上在籍して必要な知識と技術を修得する必要があります。
養成施設の種別は大きく3つに分かれます。
| 養成施設の種別 | 修業年数 | 学費の目安(3〜4年間合計) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 専門学校(昼間部) | 3年 | 約400〜470万円 | 最短・最も学校数が多い |
| 専門学校(夜間部) | 3年 | 約310〜360万円 | 昼間働きながら通学可能 |
| 短期大学 | 3年 | 約323万円 | 帝京短期大学のみ |
| 大学 | 4年 | 約640〜710万円 | 学士号取得・研究活動も可能 |
学費は学校によって差があります。
専門学校の昼間部では3年間の総額が約400〜470万円程度が相場です。
夜間部はおおむね100万円前後安くなることが多く、経済的な理由から夜間部を選ぶ社会人も少なくありません。
大学は学士号を取得できる分、費用も年数も多くかかります。
最新の学費は各校の公式サイトで確認することをお勧めします。
資格取得のステップは次の流れになります。
養成校への入学後、在学中に公益財団法人柔道整復研修試験財団が実施する柔道実技および柔道整復実技の認定実技審査をパスする必要があります。
この審査に合格することが卒業判定の前提となり、国家試験の受験資格にもつながります。
その後、卒業または卒業見込みの状態で毎年3月に行われる国家試験を受験します。
合格後は厚生労働省が管理する柔道整復師名簿への登録申請を経て免許証が交付され、はじめて有資格者として施術を行えるようになります。
入学の選考方式は多くの養成校で複数のルートが用意されています。
高校新卒者向けの一般入試や指定校推薦のほか、社会人入試や特待生制度を設けている学校も多くあります。
学力試験の難易度は一般的な大学入試と比べて高くなく、入学のハードルそのものはあまり高くありません。
社会人や主婦が柔道整復師を目指す場合、夜間部や午後部を設けている専門学校を利用する方法が現実的です。
夜間部のある養成校では授業が夕方以降に設定されており、昼間の仕事や家事と両立しながら通学できます。
社会人が養成校に通ううえで活用できる主な支援制度として、専門実践教育訓練給付金があります。
厚生労働省が指定した専門実践教育訓練の対象講座に通う場合、雇用保険の被保険者期間などの条件を満たした社会人は教育訓練給付金として学費の最大50%が給付され、給付上限は3年間で最大168万円です。
さらに、一定の条件を満たすと追加給付が受けられる場合もあり、実質的な学費負担を大きく軽減できる可能性があります。
詳細な条件・金額は厚生労働省のハローワークまたは公式サイトでご確認ください。
主婦が取得を目指す場合、子育て中の方は授業の時間帯と家庭の状況を照らし合わせた進学先の選定が重要です。
夜間部であれば配偶者が在宅している時間帯に通学できる場合もあります。
また、3年間の通学中は学費だけでなく、実習用教材・白衣・柔道着などの実費も発生するため、入学前に3年間のトータルコストを確認しておくとよいでしょう。
| 対象者 | 向いている学習スタイル | 活用できる支援 |
|---|---|---|
| 在職中の社会人 | 夜間部・午後部 | 専門実践教育訓練給付金 |
| 求職中・転職希望者 | 昼間部または夜間部 | ハローワーク職業訓練・給付金 |
| 子育て中の主婦 | 夜間部・学校の時間割を確認 | 給付金・学校独自の奨学金 |
| 高卒・浪人生 | 昼間部 | 奨学金・特待生制度 |
養成校によっては卒業後のサポートとして、国家試験直前期の補習や既卒者向けの再受験支援を行っているところもあります。
学校選びの段階でこうした合格後のフォロー体制を確認することが、社会人・主婦が在学中に安心して勉強を続けるうえで重要なポイントです。

養成校によって国家試験の合格率に大きな差があることは、厚生労働省が毎年発表する学校別合格者状況で確認できます。
全体合格率が71.5%であった第34回(2026年)の試験でも、一定数以上の受験者がいる学校間で合格率が30%未満から100%まで分布しており、学校選びが合否に与える影響は無視できません。
競合する記事の多くは全体の合格率の推移を紹介するにとどまりますが、本来この数字には養成校ごとの国試対策力の差が反映されています。
志望する学校の合格率を事前に確認することは、合格への近道を選ぶうえで重要な判断材料になります。
厚生労働省が発表した第34回柔道整復師国家試験の学校別合格者状況をもとに、受験者数20名以上の学校を中心に合格率の傾向を整理します。
合格率が90%を超えた主な学校(受験者10名以上)の例は以下のとおりです。
| 学校名 | 受験者数 | 合格率(全体) | 新卒合格率 |
|---|---|---|---|
| 帝京大学 | 47名 | 100% | 100% |
| 育英メディカル専門学校 | 37名 | 100% | 100% |
| 長崎医療こども専門学校 | 25名 | 100% | 100% |
| 日本健康医療専門学校 | 88名 | 95.5% | 97.2% |
| 九州医療スポーツ専門学校 | 51名 | 94.1% | 97.9% |
| さいたま柔整専門学校 | 36名 | 94.4% | 96.8% |
| スポーツ健康医療専門学校 | 34名 | 94.1% | 100% |
| 大宮呉竹医療専門学校 | 56名 | 92.9% | 100% |
| 神奈川柔整鍼灸専門学校 | 27名 | 92.6% | 95.2% |
出典:厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について(学校別合格者状況)」
全体の合格率が71.5%という年に、複数の学校が90%以上の合格率を達成しています。
これらの学校では新卒合格率も高水準を保っています。
同じ試験・同じ合格基準にもかかわらずこれほどの差が生まれる背景には、養成校ごとの国試対策の質や、既卒受験者の構成比の違いが大きく関係しています。
上位の合格率を安定して維持する養成校には、いくつかの共通した特徴があります。
1つ目は、模擬試験の実施頻度と活用の仕方です。
合格率の高い養成校では、在学中に複数回の模擬試験を実施し、その結果に基づいた個別の弱点補強を行う体制が整っています。
試験本番と同じ形式の問題に慣れることは、必修問題80%という厳しい合格基準をクリアするうえで効果的です。
2つ目は、既卒受験者に対するサポート体制の有無です。
新卒合格率だけでなく既卒合格率が高い学校は、卒業後にも補習や再受験支援の仕組みを提供していることが多くあります。
前述のとおり、第34回で既卒の全体合格率は32.9%でしたが、学校によっては既卒合格率も50%を超えているケースがあります。
3つ目は、1年次からの基礎科目サポートです。
解剖学・生理学は1年次から始まる科目であり、ここでつまずくと2〜3年次の応用科目の理解に直接影響します。
早期からのきめ細かい指導体制の有無が、3年後の合格率に反映されています。
学校を選ぶ際には、公式サイトに掲載されている合格率の数字だけでなく、新卒と既卒を分けた内訳を確認すること、また過去複数年の合格率の推移を見ることが大切です。
単年の数字は問題の難易度によって変動しますが、複数年にわたって高い新卒合格率を維持している学校は、国試対策の体制が安定していると判断できます。
最新の学校別合格者状況は、厚生労働省のホームページで毎年公表されています。
柔道整復師の国家試験は、必修問題と一般問題の2つの合格基準を同時に満たす必要があります。
必修問題は50問中40問以上の正解(正答率80%以上)、一般問題は200問中120問以上の正解(正答率60%以上)がそれぞれ求められます。
重要なのは、いずれか一方の基準だけを満たしても合格にならないことです。
たとえば一般問題で200点満点を取っても、必修問題が39問正解(78%)にとどまれば不合格になります。
合格率の高い年でも一定数の受験者が必修問題の基準割れで不合格になるケースがあり、過去問演習と並行して必修問題の対策を毎日継続することが合格への前提条件です。
| 区分 | 問題数 | 合格基準 | 必要正答数 |
|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 80%以上 | 40問以上 |
| 一般問題 | 200問 | 60%以上 | 120問以上 |
出典:厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」
受験資格を得る段階では、独学での対応はできません。
柔道整復師法に基づき、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した養成施設に3年以上在籍して必要な知識と技術を修得することが、国家試験受験の前提条件として定められています。
市販テキストや通信教材だけで受験資格を得られる資格ではなく、養成校への入学と在籍が必須です。
試験対策の方法については、養成校に在籍しながら自習を中心に進めるスタイルは十分に可能です。
学校指定の教科書・過去問・養成校での授業を組み合わせることで、予備校を利用せずに合格を目指している新卒受験者は多くいます。
在学中に自習の習慣をつくることが、独学での対策を成功させるうえで最も重要なポイントです。
合格率で比較すると、柔道整復師の方が難易度はやや高い傾向にあります。
厚生労働省が発表した2026年の試験結果では、理学療法士の全体合格率が89.7%であったのに対し、柔道整復師は71.5%でした。
同じ年の新卒合格率を比較すると、理学療法士が94.9%、柔道整復師が90.3%と差は縮まりますが、柔道整復師の方が低い水準にあります。
合格率だけで試験の難しさを単純に比較することには注意が必要です。
各試験は出題範囲・科目数・問題形式が異なります。
柔道整復師試験は必修問題80%という厳しい基準があり、既卒受験者の比率が合格率を引き下げる構造的な要因もあります。
どちらが客観的に難しいというより、柔道整復師試験は在学中に確実に仕上げることが他資格以上に重要な試験といえます。
| 資格 | 2026年全体合格率 | 2026年新卒合格率 |
|---|---|---|
| 作業療法士 | 91.2% | 96.9% |
| 理学療法士 | 89.7% | 94.9% |
| 柔道整復師 | 71.5% | 90.3% |
| はり師 | 67.2% | 非公表 |
出典:厚生労働省「各資格国家試験合格発表」(2026年3月)
最短で3年です。
3年制の専門学校または短期大学(帝京短期大学のみ)に入学し、在学中に認定実技審査を通過したうえで卒業後に国家試験に合格すると、最短3年で免許取得が可能です。
大学(4年制)を選んだ場合は4年かかります。
国家試験は毎年3月上旬に実施されるため、3年制専門学校の場合は3年3月の卒業に合わせて受験するスケジュールになります。
合格発表は3月下旬で、免許証の交付は名簿登録の申請後2〜3カ月程度かかります。
4月から有資格者として働くためには、合格発表後に速やかに申請手続きを進めることが必要です。
なお、万一不合格になった場合は翌年以降も受験でき、受験回数に制限はありません。
最も重要なのは、既卒の合格率が著しく低いという現実を認識したうえで対策を立てることです。
厚生労働省の発表によると、第34回(2026年)の既卒受験者の合格率は32.9%で、新卒の90.3%と比べると57ポイント以上の差があります。
前年の第33回では既卒合格率が14.2%まで低下しています。
既卒受験で特に注意すべき点は以下の3つです。
1つ目は、卒業後に急速に知識が抜け落ちることです。
在学中は授業・試験・模試を通じて繰り返しインプットされていた内容も、仕事をしながらでは維持が難しくなります。
定期的に過去問に触れることで知識の維持を図る習慣が不可欠です。
2つ目は、養成校の卒業生サポートを積極的に利用することです。
一部の学校は既卒受験者向けの補習や再受験支援プログラムを設けています。
学校のサポートが受けられる環境であれば優先的に活用することをお勧めします。
3つ目は、必修問題に特化した対策を強化することです。
既卒受験者が不合格になるケースでは、必修問題の基準割れが大きな要因の一つとなっています。
一般問題の範囲を広く復習するより、必修問題の正答率80%確保を最優先に置いた学習計画を立てることが効果的です。
参考資料