HEISEI Time Pickup-02

「卒業生インタビュー トレーナー対談」

本校卒業生で、現在、ガンバ大阪ユース・Jrユースでトレーナーとして活躍されておられる3人の先生方。
実際のスポーツ現場での貴重なお話を伺いました。

卒業生インタビュー

この仕事を選んだ時の、「ぜひやってみたい」という気持ちをいつまでも忘れない。

置先生と益先生は平成の教員をしながら、荻堂先生は治療院に勤務しながら、ガンバ大阪で育成年代のトレーナーをされているわけですが、まず最初に、皆さんがなぜスポーツトレーナーという仕事を目指されたのか、そのきっかけを教えていただけますか?

玉置「小学校からサッカーをやっていまして、大学で学生トレーナーをしている時に、スポーツトレーナーを目指そうと思いました。大学のクラブや高校の全国大会にもトレーナーとして帯同したりしているうちに、ちゃんと柔道整復師と鍼灸の資格を取って、本格的にやってみたいと思ったんです。確か大学3年生の終わり頃でした。父が教師をしていて、教え子の方のひとりがたまたま平成の先生と知り合いだったということで、家から近いこともあり、その方の紹介で受験しました」
「僕はずっと柔道をやっていて、その師匠というのが柔道整復師の先生で、接骨院をしながら僕ら高校生に柔道を教えておられたんです。強くもあるし、ケガをしたら診てもらえるしという、先生に対する完全な憧れですね。こういう人になりたいなと思い、どうしたらなれるんだろうと調べはじめて、そこからです。いろいろな学校の資料を取り寄せる中で、他の学校はほとんど試験日が終わっていて、たまたま試験の日が一番早かったのが平成でした(笑)」
荻堂「僕は高校を出て社会人を経てから、スポーツトレーナーを目指しました。もともとサッカーをやっていたこともあって、スポーツに携われる仕事はないかと探していたんです。実際に僕も選手の時にケガをしまして、最後の大会を中途半端で終えるという体験をしたものですから、情報を集めながら『こういうトレーナーさんがいれば自分たちのチームももっといい状態で大会に臨めたのに』と思い、飛び込んでみる決心をしました」

の仕事のやりがいを実感されたエピソードはありますか?

荻堂「ユース世代であっても、リハビリでつらい思いをした選手の、全国大会に行けるのか行けないのかとか、メンバーに入れるのか入れないのか、という心の葛藤がすごく見えるんですよ。その選手が全国大会のレギュラーとして出場し活躍したと聞いた時、『頑張ったんやな、あいつ』という思いはあります。どの選手にも分け隔てなく接するというのが基本なんですけど、やっぱり、そういう選手は気になりますね」
玉置「僕も同じように、ケガをした選手が復帰してゲームに出て活躍したり、大会で優勝した時が一番うれしいですね。その子がひと言『ありがとう、玉置さんのおかげです』といってくれた時、『ああ、やっていて良かった』と思いました」


に、この世代ならではの難しさというのはありますか?

「トレーナーって、グラウンド以外でも選手と接する時間が長いし、選手に一番近いと思うんです。でも、僕らが相手しているのは中学生、高校生なので、近くなりすぎて“友達”になってしまうわけにはいきません。なあなあになり過ぎず、指導者として接するように、というのが一番心がけていることです。最初は近くなりすぎてやりにくかったり、次は距離を取りすぎてやりにくかったりした経験があるので、今は少しずつバランスを見ながらやっています。監督とコーチと選手、誰に寄りすぎるわけでもなく上手に、というのが難しいところで、毎日毎日が勉強です」
荻堂「3人がそういう共通の意識の下で、例えば、玉置先生は厳しめに選手に接するようにして、益先生は選手に近く、僕はニュートラルにと、3人で話し合いながら、それぞれの役割を持って選手に接するようにしています」
玉置「僕は教員としても生徒を教え育てる立場なわけですが、ガンバでも僕らは育成年代を担当しているので共通するところも多く、リンクする部分があります。両方の活動をしながらどちらにも生かせる、そういう感じが今はしますね」

事の上で、あの時はもっとうまく出来たんじゃないかとか、反省することもありますか?

荻堂「それは毎回、あそこはこうしておいた方が良かったんじゃないかとか、もっと出来たんじゃないかとかありますね。ある先輩に聞いたら『答えはない』といわれました。実はその時は先輩の答えの意味がよく分からな

かったんです。でも、こういうことではないでしょうか。選手に対する接し方だったり、ケアだったり、事前の予防だったり、いろいろ考えて準備はするけれど、試合では何が起こるか分からない状況があるので、それに対しての万全の答え、これをやっておけば100%というのはあり得ない。3人ともそうだと思うんですが、試合の中で起こりうることをシミュレーションしながらも、常にどこかに怖いという気持ちがあります。だからこそ、何が起きるか分からないことに対して、いつも準備を怠ってはいけないんです」


在皆さんはスポーツトレーナーとして活躍されているわけですが、今後の目標や将来の夢を聞かせてください。

玉置「今、ガンバというプロ組織に入ってやらせてもらっている経験というのは、ほかでは出来ないものだと思います。これを続けていきたいという思いと同時に、この経験を生かして、最終的には開業したいという夢があります。体が動くうちは頑張って現場に出て、いろんな経験や知識を得て、いろんな人と接して、それから開業したいですね」
「将来自分がどうなっていくのかは、まだ手探りの状態です。師匠のように柔道整復師として開業しながら柔道に関わっていたいという希望は当然あるんですが、そういう先のことよりも、今この場でやっていくことに必死です」
荻堂「僕は治療院に勤務しながら、平成のスポーツトレーナーゼミのお手伝いもさせてもらっています。出来れば開業したいという夢は持っていますが、今仕事をさせてもらっているガンバから学ぶことが、まだまだたくさんあります。選手は育成年代ですけど、スタッフの方はプロです。仕事に対する考え方とか、皆さん信念を持ってやっておられるんで、自分ももっと成長しないといけないと思います」


後に本誌の読者に対して、皆さんからメッセージをお願いします。

玉置「開業するにせよ、スポーツ現場で働くにせよ、僕がやりたくてやっている仕事です。当然つらい時もありますが、この仕事を選んだ時の、「ぜひやってみたい!」という気持ちをいつまでも忘れずに、日々一歩一歩自分を向上させて頑張っていきたいと思います」
「ある先輩のトレーナーに『満足したら、成長は終わってしまうから』といわれました。その言葉を胸に刻みながら、これからも毎日を過ごしていきます」

荻堂「先輩方が一生懸命頑張って、大変な思いをして切り開いてこられたから、僕たちトレーナーとして、柔整・鍼灸師として、今があると思っています。その感謝の気持ちを忘れてはいけない。実際ガンバの仕事に携わることが出来たのも先輩のおかげでした。それを慢心して、『自分はすごいんだ!』と錯覚してしまうと成長も止まるだろうし、誰も寄ってこないような人間になってしまうでしょう。成長し続ける意志と感謝の心を忘れないようにしたいと思います」

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