スペシャルイベント「トレーナー講演会」№2

2015-02-04 (水) 09:47 

本校が、オープンキャンパス企画として昨年から行っている「クリスマスイベント」の講師として、
今年度は「J1覇者」「ヤマザキナビスコカップ優勝」「天皇杯優勝」と、今年度三冠王者になりました「ガンバ大阪」のトレーナーと、日本野球界人気球団の選手を支えている「阪神タイガース」のトレーナーのお二人にご講演をいただきました。

第一部
ガンバ大阪 トレーナー 岩城 孝次 氏

第二部
阪神タイガース トレーナー 権田 康徳 氏

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前回12月のブログでは、ガンバ大阪トレーナー岩城さんの講演内容を紹介しました。
ガンバ大阪トレーナー岩城さんの講演紹介ブログは⇒コチラ

さて、今回は第二部で講演をしていただきました阪神タイガース トレーナー 権田さんの講演内容を紹介します。

昨年も権田さんには20分程簡単にお話をしていただいたのですが、今回は60分間たっぷりと講演していただきました。
話を聞いていた参加者の反応は、スポーツの競技特性の違いだと思いますが、90分間を常に走り続けるサッカーと、攻守の入れ替わりがある野球の違いで、トレーナーの仕事もここまで違うのかというのを感じましたが、権田トレーナーの熱いメッセージをご紹介します。

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~トレーナースタッフ~
私は2007年から阪神でお仕事をさせていただいていまして、それまでに一軍・二軍・ファームとそれぞれのトレーナーとして経験し、今シーズン4年振りに一軍に帯同になりました。昨年まで西宮市鳴尾浜に2軍の寮や球場があるんですが、そこで故障者の選手と向き合っていました。1人が治って実践に復帰したら、また違う選手が故障者として出てくるという状態です。

~プレー中での事故~
試合中ベンチの中に入れるトレーナーは一人です。そのトレーナーを“ベンチトレーナー”と言いますが、試合中は常にプレーが見やすい所で、選手とボールの動きを追いながら、いろいろな状況を想定しながら試合を見ています。
皆さんもテレビなどで見られた方も多いかと思いますが、3月30日、東京ドームで行われた開幕カード、巨人―阪神戦で起きた阪神・西岡選手と福留選手の飛球を追っての味方同士の衝撃的な激突がありました。今回は一つのボールを追っての惨事であったのですが、その状況が起こっている状態を目の前で見ていましたので、選手のぶつかり方や落ち方で、どちらの選手の状態が悪いのか?どちらの選手の所に走って行くのか?そこに行くまでに、瞬時に自分の頭の中で整理をし判断しておかないとダメなんです。ベンチには私一人しかトレーナーがいませんから・・。
※西岡選手が倒れている際に、救急車で搬送されるまで、じっと頭部を動かさず支えていたのが権田トレーナーです!(ネット動画でも見れます)

西岡選手があの状態になっている中で、福留選手の所に走って行くことはないのですが、福留選手も打撃していますので「あとで見るから」と福留選手にはその場で伝えました。
ただ、2人の選手が同じ様な重症度の状態になっていたらと考えた場合、ベンチには一人しかトレーナーがおりませんので、どちらの選手も見ながらの対応でどうするかな?などと、自分なりに後から検証し考えました。

野球の場合、サッカー・ラグビー・アメフト・バスケットなどのスポーツとは違い、ボールを奪い合い、ぶつかり合うスポーツではありませんので、あの様な強烈に選手同士がぶつかることはありません。あの時は、救命処置で学んだことや、個人的に訓練を受けてきたことが役立ったと感じます。先程、講演されたガンバ大阪の岩城さんもそうだと思いますが、普段からサッカーというコンタクト競技において、試合中におこる応急処置をされていると思いますが、すぐに動けるのか?処置できるのか?といったことの経験を、我々野球のトレーナーの場合は経験値が少ないので、それを想定した訓練は必要だと思います。

~夢を現実に~
今回の参加者の中には、トレーナーを目指されている方もいると思いますが、トレーナーの基本は「選手を守る!」です。どのスポーツにおいても関係はありません。

「私は選手達のコンディショニングを見たい」「私は選手達のトレーニングを見たい」「いや、緊急時などで役立つトレーナーになりたい」「私は治療をして怪我を治せるトレーナーになりたい」といろいろな夢をもち、目指している方もいると思いますが、私は専門学校を20数年前に卒業し、アメリカまで行って勉強しましたが、別にアメリカまで行く必要はないと思います。5年後10年後とピッチに立ったり、ベンチに入ったり、選手の故障による怪我の処置やケアの相談に乗ったりと、チームの裏方で活躍している自分のイメージを、まずは持って欲しいと思います。

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Q:チームトレーナーの組織とは
A:阪神タイガースの場合、選手約70名に対し、12名のトレーナースタッフがおります。
その内、7名が鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師。4名が一軍、3名が二軍と分かれています。また5名がアスレチックトレーナーで、トレーニングやコンディショニングを担当しています。
トレーナースタッフは、何年かに一軍と二軍とでシャッフルします。何故かと言いますと、野球選手の場合、何億円といった高額な年俸をもらっている選手もおれば、高校を卒業したばかりの若い選手もおり、怪我で故障しがちな選手もおります。トレーナーとしていろいろな所で選手を見て、経験することで、双方の問題や良さがわかるように、何年かおきに変わって行き、フィードバックできる様にしています。

Q:今年の名場面、記憶に残っているシーンはありますか?
A:一年間を通してたくさんの出来事がありましたが、今シーズンでチームを去ってしまう新井貴浩選手との会話、怪我をした後の西岡選手との会話、そして鳥谷選手との会話など、いろいろあるんですが・・。
ペナントレースを2位で通過し、クライマックスシリーズで広島に勝ち、東京ドームで巨人に快進撃で勝利と勢いがありました。日本シリーズではパリーグを制したソフトバンク。甲子園では第一戦目は勝ちましたが、第二戦目は負けてしまいました。甲子園の地の利を活かして、第二戦目も勝ちたかったのですが・・。
ソフトバンクは今シーズンで辞められる秋山監督を胴上げしたい。男にしたい。という選手達の強い気持ちが試合に出ていたと感じます。日本シリーズは、7試合中4勝すれば良いのですが、福岡ヤフードームで1勝3敗。第5戦でこの日に勝てれば、次の試合から甲子園に戻って試合ができるという状況でした。4万5千人が甲子園に入った状況で、ほとんどが阪神ファンの場合、地鳴りがなるぐらい凄く、相手の投手も打者も嫌がります。
ですが、3連敗して、チームの雰囲気も極度の緊張や負けムードもある中で、追い詰められていました。
その時に、外国人選手のマッド・マートン選手が、選手を集めて話をしました。
「今までここまで来れたのは、間違いなく自分達の力。すべてチームの力。今日の試合も自分達を信じてプレーしよう!」と通訳を返して話をされました。
「甲子園に帰ればなんとかなる。Have a fun !(楽しもう!)」と・・。

結果は負けてしましましたが、チーム一丸となった瞬間でした。

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貴重なお話をありがとうございました!!

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